社会医療法人北九州病院 北九州総合病院

採用情報 採用情報 アクセス アクセス

診療科・センター

乳腺外科
乳腺外科写真01
乳腺外科では、常勤医1名と産業医科大学病院からの診療応援医師1名の2名体制で診療を行っています。乳癌検診や検診精密検査による診断、乳腺疾患の外科治療に加え、薬物療法、放射線療法、緩和ケアに至るまで、病理医、放射線科医師、細胞診技師、女性の放射線技師、女性の超音波検査技師、薬剤師、がん化学療法認定看護師と協力して幅広い診療を行っています。当院では、通常の2Dマンモグラフィに加え3D撮影を導入しています。角度を変えて複数の方向から撮影した画像を再構成して断層像を作成する技術で、2D撮影では隠れていた病変も見つけやすくなりました。日本人に多い高濃度乳房の場合、厚みの薄い断層像が得られることから特に有効です。

診療科の特徴

癌の大きさが比較的小さい(およそ3cm以下)場合、乳房温存手術が可能です。腹腔鏡の手技を応用し、小さな創で手術を行う鏡視下手術も可能です。温存不可能な場合や術後の放射線治療回避のために乳房切除を行う場合は、形成外科の専門医と協力して乳房再建を積極的に行っています。再建法は、広背筋等ご自身の組織を利用する再建と、シリコン・インプラントを用いる再建があり、患者さんの希望に沿って選択いたします。腋窩のリンパ節に明らかな転移がない方にはセンチネルリンパ節生検を行い、転移がなければ上肢のリンパ浮腫の原因となる腋窩リンパ節郭清を省略します。局所進行癌やHER2陽性乳癌、トリプルネガティブ乳癌(エストロゲン受容体・プロゲステロン受容体・HER2タンパクがいずれも陰性)に代表される悪性度の高い乳癌の場合は、副作用を軽減するための支持療法を併用しながら、根治を目指して術前・術後の化学療法や分子標的治療を行います。免疫チェックポイント阻害薬の併用や、投与間隔を短縮して治療強度を高めたdose-dense化学療法を術前から積極的に施行しており、手術標本の病理検査で癌が消失している頻度も増えてきています。

対象疾患/診療領域

悪性腫瘍のみならず、線維腺腫や葉状腫瘍、乳管内乳頭腫等の良性腫瘍、乳腺炎や乳輪下膿瘍等の炎症性疾患に至るまで、乳腺に発生する全ての疾患の診療を行っています。残念ながら再発や転移を来した患者さんには、状況に応じて最善の薬物治療や緩和ケアを行って参ります。また遺伝性乳癌(遺伝性乳癌卵巣癌症候群)が疑われる方には、臨床遺伝専門医のカウンセリングや、BRCA遺伝学的検査も可能です。遺伝性乳癌卵巣癌症候群と診断された方には、再発高リスクの場合の術後薬物療法や手術不能または再発乳癌の場合にオラパリブが使用可能となります。

その他

日本人女性の場合、女性が罹患する癌の中で最も多く、生涯で9人に1人が乳癌にかかるとされています。乳癌は30歳代から増加しはじめ、40歳代後半と60歳台に2つのピークがあります。月に1回、自己検診を行いましょう。