社会医療法人北九州病院 北九州総合病院

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診療科・センター

消化器内科
消化器内科は、日本消化器病学会認定施設、日本消化器内視鏡学会指導施設、日本肝臓学会関連施設、日本膵臓学会指導施設であり、現在6名のスタッフで消化器疾患全般にわたって幅広く診療を行っています。当院は救命救急センターの指定を受けており、消化管出血や急性胆管炎等に対する緊急内視鏡治療、重症急性膵炎などの腹部救急疾患の診療も行っており、ほぼ全ての消化器疾患の診断・治療を行うことが可能です。また、手術や観血的処理が必要な患者様につきましては、速やかに外科と連携を取りながら診療を行っています。

内視鏡検査について

診療科の特徴

月~金曜日の毎日、上部・下部消化管の内視鏡検査を行っています。(緊急の内視鏡検査は24時間対応しています。)検査を受けられる前に、経鼻内視鏡か経口内視鏡を選択していただき、鎮静剤を希望される方には鎮静下での検査を実施しています。少しでも楽に検査を受けていただくように心がけていますので、ご希望の患者様がいらっしゃいましたら、外来担当医にご相談ください。
当院は、オリンパス社のVPPによる機器で検査・治療を行なっており、内視鏡機器(EVIS X-1、EVIS EUS EU-ME2 PREMIER PLUS、GIF-XZ1200、GIF290シリーズ、CF290シリーズ)を使用しています。操作性が向上し、高画質で観察することが可能になり、検査及び治療の質が向上しました。また、2023年より小腸内視鏡(FUJIFILM社:ダブルバルーン内視鏡BI-580BT)、カプセル内視鏡(FUJIFILM社:PillCam SB3)も導入しました。小腸疾患の内視鏡治療や術後腸管症例における胆膵内視鏡治療を行うことも可能になりました。
当科で出来る主な検査・治療は以下のとおりで、ほぼ全ての消化器疾患の検査および治療が可能です。各疾患のガイドラインに準じた治療を高いレベルで提供できるように、各領域の専門医で協力しながら診療にあたっています。ご高齢の患者様が増加してきていますので、患者様・ご家族様と十分にお話し合いを行いながら、できるだけ低侵襲かつ安全な検査・治療を心がけています。

消化管

  • 上部消化管内視鏡検査
  • 下部消化管内視鏡検査
  • 小腸内視鏡検査
  • カプセル内視鏡検査
  • 超音波内視鏡検査(EUS)
  • 超音波内視鏡ガイド下穿刺吸引生検(EUS-FNA)
  • 内視鏡的止血術
  • 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
  • 大腸ポリペクトミー
  • 食道・胃静脈瘤治療(EVL,EIS)
  • 消化管ステント留置術
  • 内視鏡的胃瘻造設術(PEG)
  • 経皮経食道胃管挿入術(PTEG)

肝臓

  • 造影エコー検査
  • 血管造影検査
  • ラジオ波焼灼術(RFA)
  • 肝動脈化学塞栓療法(TACE)
  • 腹水濾過濃縮再静注法(CART)

胆・膵

  • 内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP,BAE-ERCP)
  • 胆道鏡・膵管鏡
  • 内視鏡的乳頭切開術/内視鏡的乳頭バルーン拡張術/内視鏡的ラージバルーン拡張術(EST,EPBD,EPLBD)
  • 胆道結石に対する電気水圧衝撃波胆道結石破砕術(EHL)
  • 胆管・膵管ステント留置術
  • PPC・WONに対する内視鏡的ドレナージ
  • 体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
  • 経皮経肝胆管ドレナージ術(PTCD)
  • 経皮経肝胆嚢ドレナージ術(PTGBD)

対象疾患/診療領域

消化管疾患

消化管(食道・胃・大腸)癌では、癌の大きさや深さ(深達度)などの精査を行った後、内視鏡的治療の適応病変に対しては、積極的に内視鏡的切除を行っています。特に食道・胃・大腸の早期癌に対しては病変の一括切除が可能である内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を施行しています。小腸疾患が疑われる場合は、カプセル内視鏡や小腸内視鏡検査も行っています。炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)に対しては、既存の薬物療法以外にもTNF-αモノクローナル抗体等の生物学的製剤、白血球除去療法等を症例に応じて選択して行っています。消化管出血では緊急内視鏡を行い、内視鏡的止血術を積極的に施行しています。食道・胃静脈瘤に対しては内視鏡的硬化療法や静脈瘤結紮術を行っています。その他にも消化管(食道、十二指腸、大腸)ステント留置術、胃瘻造設術(PEG) 経皮経食道胃管挿入術(PTEG)等の各種内視鏡治療も実施しています。

肝疾患

B型慢性肝炎に対してはインターフェロンや核酸アナログ製剤を、C型慢性肝炎にはDAA(Direct Acting Antivirals:直接作用型抗ウイルス薬)を使用して、症例に適した治療計画を立てて治療を行っています。肝細胞癌に対しては、肝臓の予備能と腫瘍径、腫瘍数により外科的肝切除術、ラジオ波焼灼術(RFA)、肝動脈化学塞栓療法(TACE)、動注リザーバーによる抗癌剤注入療法、全身薬物療法(アテゾリズマブ+ベバシズマブ、ソラフェニブ、レンバチニブ等)などを選択し、治療を行っています。当科では、肝炎から肝硬変およびその合併症に至るまで幅広く対応しています。また、非アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎や原発性胆汁性肝硬変のような自己免疫性肝疾患に対しても肝生検などを行い、診断・治療に努めています。

胆道系疾患

総胆管結石に対しては、内視鏡的逆行性胆膵管造影(ERCP)を施行し、内視鏡的乳頭切開術(EST)・内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)・内視鏡的ラージバルーン拡張術(EPLBD)を行って結石摘出をしています。また、当院では胆道鏡であるSpyGlass™ DSⅡを導入しました。このSpyGlassを胆管内に直接挿入することにより、胆管腫瘍の精密検査が可能です。また巨大な結石は電気水圧衝撃波胆管結石破砕装置(EHL)と呼ばれるデバイスを用いて、衝撃波により結石を砕いて治療することが可能となりました。閉塞性黄疸を伴う疾患では、内視鏡的経鼻胆管ドレナージ(ENBD)、内視鏡的胆管ステント留置術(EBD)、経皮経肝胆管ドレナージ(PTCD)などを行っています。ダブルバルーン内視鏡(ショートタイプ)を導入しましたので、術後腸管症例における閉塞性黄疸・胆管炎に対する内視鏡治療にも対応することができるようになりました。

膵疾患

早期に適切な治療が必要な急性膵炎に対しては、成因や重症度を的確に診断した後、速やかに集学的治療を行っています。有症状の膵石症に対しましては、体外衝撃波結石破術(ESWL)+内視鏡治療も行っています。膵癌に対しては、各種画像診断(US、CT、MRI、超音波内視鏡(EUS)、内視鏡的逆行性胆膵管造影(ERCP)など)を行い、進行癌に対しては化学療法を実施しています。また、自己免疫性膵炎は膵臓以外の臓器にも病変を認める全身性自己免疫疾患として注目されていますが、各種画像診断を行った後、ステロイド治療を実施しています。

診療実績

検査実績数

検査 2021年(件数) 2022年(件数) 2023年(件数)
上部消化管内視鏡検査 1,983 2,202 2,038
下部消化管内視鏡検査 1,398 1,605 1,438
小腸内視鏡検査 12 26 10
カプセル内視鏡 5 2 3
超音波内視鏡検査(EUS) 112 65 60
超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA) 16 32 14
逆行性膵胆管造影検査(ERCP) 563 525 525

治療実績数

治療 2021年(件数) 2022年(件数) 2023年(件数)
食道内視鏡的粘膜下層剥離術(食道ESD) 2 2 4
胃内視鏡的粘膜下層剥離術(胃ESD) 34 27 27
大腸内視鏡的粘膜下層剥離術(大腸ESD) 18 15 14
胃粘膜切除術(胃EMR) 6 2 6
大腸粘膜切除術(大腸EMR)・ポリペクトミー 351 310 313
食道・胃静脈瘤治療(EIS,EVL) 32 19 29
内視鏡的止血術 102 115 91
内視鏡的乳頭切開術(EST) 93 105 103
胆管・膵管ステント留置術 204 183 199
膵石体外衝撃波結石破砕術(膵石ESWL) 21 7 15
消化管ステント留置術 7 6 9
ラジオ波焼灼術(RFA) 2 6 1
経皮経肝胆管ドレナージ術(PTCD) 21 7 17
経皮経肝胆嚢ドレナージ術(PTGBD) 48 16 23
胃瘻造設術(PEG) 29 10 18
食道・胃内異物除去術 15 17 7