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人工関節手術支援ロボット:ROSAとは
変形性膝関節症の代表的な手術である人工膝関節置換術は、もともと持っている膝を再現できるように人工関節を設置します。しかし、正しい位置に人工関節を設置するためには、骨を削る量や角度は医師の経験や技術、感覚に頼る部分があります。
ROSA Kneeシステムは六軸多関節ロボットアームと光学カメラユニットに分かれており、膝の位置を正確に把握し、人工膝関節を置換するための骨切り量を1mm以下、0.5度単位で微調整が可能となります。また修正を加えることもできるため、熟練度に関わらず、良好な手術が期待できるといえます。
手術中のROSA Kneeシステムは、光学トラッカーと脚に取り付けられたミニカメラを利用して、空間内の膝の正確な位置を決定するGPSシステムのように機能します。また手術によって脚の位置が変わると、膝関節にある靭帯など軟部組織のバランスが変わります。このバランスを考え、骨を切る角度や量、人工関節を設置する位置の微調整が必要となるのですが、この部分が医師にゆだねられていました。手術支援ロボットは、骨の形だけでなく軟部組織などのバランスを考えて、人工関節が安定する位置をリアルタイムで示してくれます。つまりこれまでは医師が目で確認していた部分を、ロボットが0.5mm、0.5°単位で確認し画面に表示できるので、肉眼では分かりにくいズレも可視化できるのです。ズレが見つかれば微調整し、改めてロボットが評価してくれるので、執刀医のスキルが向上し、膝インプラント(人工関節)の正確な配置が可能になります。
対象となる疾患
変形性膝関節症
変形性関節症は軟骨がすり減ったりなくなったりすることで膝の形が変形し、痛みや腫れをきたす状態をいいます。関節が痛むため、関節リウマチと間違えられやすい病気です。
膝に起きた変形性関節症を変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)とよびます。変形性膝関節症が進行し重症になると、軟骨がすり減り、骨が露出して関節の表面がデコボコになり、 本来の滑らかな動きが障害されます。
また、関節の変形や運動痛、 可動域(かどういき)制限等により、 起立や歩行に大きな影響を与えるため、QOL(クオリティ・オブ・ライフ= 生活の質)を著しく低下させます。
ROSA Kneeシステムによるメリット・デメリット
メリット
- 手術の傷が小さい・少なくすむ
- 出血が少ない
- 術後の痛みが軽減される
- 合併症のリスクが低い
- 入院期間の短縮と回復期間の短縮
- インプラント(人工関節)の正確な配置
- インプラント(人工関節)の寿命の延長
デメリット
- 手術費用が若干高くなる(実費で20,000円程度。高額医療制度にて対応可能)
Q&A
手術前
Q.手術は誰でも受けられますか?
A.ROSA Kneeシステムを用いた人工膝関節置換術は、公的医療保険の適応が認められています。手術を勧められた方や希望する方であれば、医師の判断のもと受けられます。
Q.膝の人工関節手術を受ける予定ですが、どのくらいの入院になりますか?
A.当院では、日常生活へ復帰するリハビリを含めた標準的な入院期間を約2週間に設定しています。手術前に膝周囲の筋力が十分保たれている方は、1週間程度で退院することも可能です。 筋力の衰えや関節の動きが極端に悪くなっている方、さらに積極的なリハビリを希望される方は入院期間を延長(約1ヶ月)することも可能です。
Q.股関節の手術にも対応していますか?
A.2023年度内に「ROSA Hip システム」も導入予定です。
手術中
Q.ロボットが自動で手術するのでしょうか?
A.ROSA Kneeシステムはあくまでも手術をサポートする為のロボットです。ロボットが自立して手術を行うことは出来ません。
Q.停電になった場合、大丈夫でしょうか?
A.当院には非常用電源・発電装置が備えられており、停電と同時に供給電源が切り替わります。さらに手術室は優先的に非常用電源でバックアップされるため問題ありません。 ROSA Kneeシステムだけではなく他の手術中に停電になったとしても、支障なく手術を継続可能です。
手術費用
Q.手術費用はいくらでしょうか?健康保険は使えますか?
A.健康保険の適応であり高額医療の対象となります。
そのため、高額療養費制度を利用した場合(限度額適用認定証を提示された場合)以下の通りとなります。
(いずれも食事代・設備利用料等は含まれません。詳しくは当院医事課にお尋ねください。)
- 70歳未満・一般所得の方で限度額適用認定証を提示された場合:約93,000円
- 70歳以上・一般所得の方の場合:44,000円